二世帯住宅(多世帯住宅)とは
二世帯住宅とは、二つの世帯が一つの建物に暮らす住宅のことを言います。
二世帯住宅というと、一般的には親世帯・子世帯が一つの建物に暮らすもので、
多世帯住宅と呼ぶものは、親世帯・子世帯と孫世帯(三世帯住宅)や、親世帯と二つの子世帯など、近年の暮らし方の多様化により、様々な在り方をしています。
なぜ二世帯住宅にするのか
では、なぜ多くの方が二世帯住宅を検討するのか。家庭によって様々な事情がありますが、大きく分けて二つ、経済面と精神面(安心面)でのメリットがあります。
経済面
純粋に一世帯が住む建物を二つ建てるよりも、二世帯住宅を一つ建てる方が安く済みます。特に都内では土地代の高騰が近年ますます進み、住宅購入時にも土地の負担割合が大きくなってきています。
また、多くの方が利用する住宅ローンの面でも大きなメリットがあります。
親子ペアローンやリレーローンなど、一世帯で住宅ローンを組む時よりも選択肢が広がり、より高額な借り入れができることもあります。
精神面(安心面)
親世帯、子世帯それぞれに万が一のことが起きた時も、同じ建物に住んでいるためいつでも駆け付けられます。特にライフスタイルの中で大きな子育てや介護の部分に関しても、お互いに支えあい、助け合うことができるというのは、大きな安心感が得られます。
また、災害の多い日本においては、すぐに家族の安否が確認できるという点も大きなメリットになると思います。
二世帯住宅の種類
二世帯住宅の中にも様々な間取りがあり、暮らし方が大きく影響します。
完全分離型
二つの世帯が
玄関から完全に分離された間取りタイプです。そのため、玄関・水まわり設備もそれぞれの世帯専用のものがあります。
互いのプライバシーを完全に守り、それぞれの世帯がそれぞれの特色を出した空間にできることが大きなメリットです。一方、すべての設備が二倍増えると考えると、その分コストも倍かかってきます。
完全分離型の中にも二種類あり、
上下階で世帯を分けるタイプと、
左右で世帯を分けるタイプがあります。
左右で分けるタイプは、互いの足音を気にする必要がないため人気ですが、その分左右に広い土地が必要となります。そのため、都内の狭小地で二世帯住宅をご検討される方は、上下階で世帯を分ける間取りで検討するのが良いと思います。
一部共有型
玄関のみ共有や、
玄関と水まわりのみ共有など、住宅の一部分のみ二世帯間で共有し、主な居住スペースは世帯で分けるタイプです。
完全分離型に比べ、一部分を共有する分コストを抑えることができ、ゆとりある家づくりになっていきます。一方で完全分離型よりはプライバシーの確保が難しく、世帯間でルールの制定などを行わないと、トラブル発生の原因につながってしまいます。特に水道代・電気代など、共有で払っていくランニングコストの面はよく話し合われる必要があります。
完全共有型
個室以外、
すべての部屋を二世帯で共有するタイプです。
完全分離型・一部共有型と異なり、個室以外はすべて共有で使用するため、互いのプライバシーの確保は難しくなります。ただ、世帯を分ける必要がないため、間取りの制約が少なく、より広々とした空間をつくることができます。
水まわり設備等も分ける必要がないため、コストを抑えた家づくりをすることができます。
二世帯住宅をつくる時のポイント
理想的な二世帯住宅は、経済面も精神面もうれしいことが多いですが、では理想の二世帯住宅をつくる時は何に気を付けたらいいのか、抜粋してお伝えします。
過ごす時間帯
完全共有型・一部共有型は、二世帯が同じ空間で過ごすことも多々あります。
ライフスタイルによっては、一方がすでに寝静まっているのに対し、もう片方は食事や団らん中なんてことも。
せっかくの家づくりでも、互いに気を使い遠慮をし続けると、気疲れしてしまいます。
また、完全分離型だとしても、上下階で世帯を分けるタイプで、
一階の寝室の上にリビングのある間取りにしてしまうと、上の足音が気になって眠れないこともあります。
家づくりを始める前に、互いの家族の過ごす時間帯を確認し、どんな間取りであれば、互いにのびのびと暮らせるのかを確認しておく必要があります。
家事の分担
完全分離型の場合は各世帯で家事を行えますが、完全共有型・一部共有型は、キッチンやお風呂など、毎日の家事のスペースが共有されることがあります。
だれが家事を行うのかによって、設備の仕様を変える必要があります。
例えば、身長の低い方がメインで料理を行うなら、キッチンの高さを標準の高さよりも低くした方が、日々の家事の効率が上がります。
意外と見落としがちな部分ですので、共有型の間取りをご希望の方は要注意です!
外壁の好み
二世帯住宅は、室内では世帯ごとに自分たちの好きなデザインでクロスや家具を決めることができますが、
建物自体は一つですので、外壁は共通で決めていく必要があります。
家の印象を大きく分ける外壁ですので、どんな色・どんな外壁材が好みなのかを二世帯間で決めていく必要があります。
☆外壁の種類についてはこちらのコラムをご覧ください↓